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ルー・リードのロバート・フランク Lou Reed on Sick of Goodby’s 1978

Posted in site trekking by iseki ken on 2013-11-7

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Robert Frank Sick of Goodbye

Robert Frank, Sick of Goodby’s, 1978 from The Lines of My Hand

ルー・リード*1「ロバート・フランクの『The Lines of My Hand』*2って本の中にある「Sick of Goodby’s」*3を見てたんだ。そのちょっと前にはジョニー・キャッシュ*4の「I Wish I Was Crazy Again」*5という曲を聞いていたんだけどな。

そしてこの作品で表現される「別れ」について考えてみた*6。もう二度と会うことのできない古い友人への最後のグッドバイ。この写真から感じとることができる強烈な人生の悲しさと、それを癒す作品のクオリティに心を打たれたんだ。

ジョニー・キャッシュの曲もそうだ。あのときに戻りたい、もう一度見てみたいという欲求を歌っている。荒野の火の中に飛び込んで焼かれてしまい、この別れの写真の中でしかもう見ることのできないというその状況は、言葉で言い表すことができるものじゃない。

この写真は物事をありのままに受け入れる大切さを教えてくれる。誰も避けることのできない死と最後の写真。友達や、白黒フィルムにとらえられた失った時間を思い出させてくれる自然な写真。フランクは実際にそれを経験し、見て、巧妙に記録したんだ。失ったパートナーや曲を思い出して心臓をバクバクさせながら、俺は恐れおののいてそれを見てる。

クレイジーなあの時間をもう一回と願い、その瞬間をカメラの中に閉じ込めてしまうというのは、偉大なアーティストができるせめてものことなんだ。ロバート・フランクは素晴らしい民主主義者だ。俺らは皆この写真の中にいる。鏡の中ではペンキがまるで血のように垂れている。もうさようならはたくさんだ。誰もがそう思ってる。でも実際それを口に出しているのを見るのはうれしいことだね。」

『Tate Etc. issue 2; Autumn 2004』「Six reflections on the photography of Robert Frank」より http://www.tate.org.uk/context-comment/articles/six-reflections-on-photography-robert-frank

Lou Reed: I was looking at Robert Frank’s photograph Sick of Goodby’s in his book The Lines of My Hand. Moments before I had been listening to a Johnny Cash song called I Wish I Was Crazy Again. Then I thought of the goodbyes in the book to old friends caught once and for all and never again to be seen in life, and I was struck by the intensity of the sadness of life and its redeeming qualities as reflected in these moving photos. With Johnny Cash as well, the desire to see it all again, to go out one more time into the wild flame only to be burned up forever and never be seen again except in these farewell photos, is moving beyond description. The photos speak of an acceptance of things as they are. the inevitable death of us all and the last photo – that last unposed shot to remind us of our friends, of our loss of the times we had in a past captured only on film in black and white. Frank has been there, and seen that, and recorded it with such subtlety that we only look in awe, our own hearts beating with the memories of lost partners and songs.

.To wish for the crazy times one last time and freeze it in the memory of a camera is the least a great artist can do. Robert Frank is a great democrat. We’re all in these photos. Paint dripping from a mirror like blood. I’m sick of goodbyes. And aren’t we all, but it’s nice to see it said.

From Tate Etc. issue 2; Autumn 2004 “Six reflections on the photography of Robert Frank” http://www.tate.org.uk/context-comment/articles/six-reflections-on-photography-robert-frank

*1 アメリカのバンドThe Velvet Undergroundのリード・ボーカル、ギタリスト。アンディ・ウォーホルがプロデュースしたバナナのジャケットのファースト・アルバムは特に有名。写真集を三冊だしている写真家としての一面も。2013年10月27日永眠。
*2 1972年に日本の邑元舎から出版され(日本語のタイトルは『私の手の詩』)、その後1989年に収録作品が追加、再編集されたヨーロッパ版が出版された。ルー・リードが見ていたのはヨーロッパ版。
*3 ロバート・フランクは1971年、後の妻となる彫刻家ジューン・リーフとカナダのノバスコシア州にある海辺の町に居を構え映像や写真作品の制作を行った。このSick of Goodby’sはその地で作られたシリーズのひとつ。Sick of Goodby’sは「サヨナラはもうたくさんだ」という意味。
*4 アメリカンカントリーミュージックの重鎮。ルー・リードと同様コワモテ。
*5 1978年に発売され「もう一度会えたら」「あのときのようにクレイジーだったら」などセンチメンタルな曲を多数収録したアルバム『I would like to see you again』より。
*6 フランクは1974年に娘のAndreaを飛行機事故でなくしている。

 

Susan Sontag On Photography Most Highlighted 写真論のハイライト

Posted in site trekking by iseki ken on 2013-08-21

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写真論の代表的な著作としてはずせない一冊、スーザン・ソンタグの『写真論』。

もう読みましたか?

Have you already read Susan Sontag On Photography?

ソンタグ 写真論 Susan Sontag On Photography

もう読んだ方もそうでない方も、いくつかの要点*1もう一度見てみましょう。

I know you did, but for those who didn’t, let’s pick up some of the popular sentences*1.

 

1.「カメラは実際に現実をとらえるのであって、それをただ解釈するのではないという意味もあるが、写真は絵画やデッサンと同じように世界についてのひとつの解釈なのである。」(スーザン・ソンタグ 近藤耕人訳『写真論』晶文社, 1979年, p.13)

1. “Although there is a sense in which the camera does indeed capture reality, not just interpret it, photographs are as much an interpretation of the world as paintings and drqsings are. ” (120 people highlighted)

 

 

 

「写真は絵画やデッサンと同じように世界についてのひとつの解釈なのである。」

 

 

ふむふむ。

OK.

 

 

2. 「時間というものは結局はたいがいの写真を、およそ素人ふうのものであろうと、芸術と同列の高さにおくことになる。」(p.29)

2. “Time eventually positions most photographs, even the most amateurish, at the level of art. ” (116 people highlighted)

 

 

 

なるほど。

I see.

 

 

 

3. 「最近では写真はセックスやダンスと同じくらいありふれた娯楽になった。そのことは、大衆芸術というものはどれもそうだが、写真が大部分の人に撮って芸術ではなくなったことを意味している。それは主として社交的な儀礼であり不安に対する防御であり、また権力の道具なのである。」(p.15)

3. “Recently, photography has become almost as widely practiced an amusement as sex and dancing – which means that, like every mass art form, photography is not practiced by most people as an art. It is mainly a social rite, a defense against anxiety, and a tool of power.”  (104 people highlighted)

 

 

 

「最近では」、とありますが、『写真論』が出版されたのは1977年です。

The book first published in 1977.

 

 

 

4. 「撮影した映像は世界についての言説というよりも世界の断片であり、だれにでも作れるし、手にも入る現実の小型模型といったものである。」(p.11)

4. “Photographed images do not seem to be statements about the world so much as pieces of it, miniatures of reality that anyone can make or acquire. ” (94 people highlighted)

 

 

 

「世界の断片」、「現実の小型模型」、、、

‘miniatures of reality’..

 

 

 

5. 「人びとを撮影するということは、彼らを自分では決して見ることがないふうに見ることによって、また自分では決してもつことのない知識を彼らについてもつことによって、彼らを犯すことである。それは人びとを、象徴的に所有できるような対象物に変えてしまう。ちょうどカメラが銃の昇華であるのと同じで、だれかを撮影することは昇華された殺人、悲し気でおびえた時代にはふさわしい、ソフトな殺人なのである。」(p.22)

5. “To photograph people is to violate them, by seeing them as they never see themselves, by having knowledge of them they can never have; it turns people into objects that can be symbolically possessed. Just as the camera is a sublimation of the gun, to photograph someone is a sublimated murder – a soft murder, appropriate to a sad frightened time.” (80 people highlighted)

 

 

撮影することは「ソフトな殺人なのである。」

To photographe people is  ”a soft muder.”

 

興味深い表現がたくさんありますね。

Interesting.

 

スーザン・ソンタグ『写真論』、読んでみましょう。

Let’s read through the book.

*1これら5つの引用はKindleのポピュラー・ハイライトで最も多くハイライトされた箇所。ポピュラー・ハイライトは、他の多くのKindleユーザー(読者)がハイライトした文章が分かる機能。日本語版はKindle用に電子書籍化されていない(2013年8月現在)ため原著『On Photography』を参照。
*1 These five sentences are most highlighted on Kindle book. Kindle has a function called Popular Highlight, which we can know the highlighted sentences by other readers.

(井関ケン Ken Iseki)

 

カメラを使わない作品 第7回 Googleストリートビュー 3(後編) Works without Camera Google Street View #3

Posted in site trekking by iseki ken on 2013-06-2

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Googleストリートビューを使った作品、第3回、Doug Rickard(ダグ・リカルド)の写真集『A New American Picture』を紹介しています。

前編はこちら

リカルドは独学で写真を学び、写真を撮りながら、有名な写真記事アーカイブサイトAmerican Suburb X*1を2008年に立ち上げた後、ストリートビューを使って作品をつくるようになります。

Works without Camera Google Street View #3, I am introducing a photobook.

The title is A New American Picture. Photographer Doug Rickard  used images from Google Street View to make this series of work.

Please read the first part.

#83.016417, Detroit, MI(2009), 2010 from A New American Picture

ストリートビュー、家系、アメリカの暗部

インタビュアー:どういうきっかけでGoogle Street View*2を利用するようになったんだい?

リカルド:サイトを立ち上げて約1年後の2009年にストリートビューを発見したんだ。当時ウェブを使ってアメリカに関して写真表現ができないか模索していた。

インタビュアー:そしてストリートビューで見たイメージが、あなたが学んだ写真の歴史とつながっていくわけだよね。

リカルド:そう。FSA(農業保障局)*3の写真アーカイブがウェブ上に公開されていて*4、それらを見ることに長い時間を費やした。そしてストリートビューで見た光景は80年前に偉大な写真家によって撮られた写真とつながっていると思ったんだ。

当時大恐慌の最中にあったアメリカで、政府がプロパガンダのために貧しい農民の生活を記録するプロジェクトを立ち上げました。リカルドはこの1930年代ごろのドキュメンタリー写真のアーカイブをネット上で見ていて、ストリートビューに写ったシーンとのリンクを感じたそうです。

FSAのプロジェクトで撮られた写真をいくつか見てみましょう。

Erin O’Toole: What led you to experiment with Google Street View?

Doug Rickard: I discovered Street View in 2009, about a year after I started ASX. I was looking for a way to use the web to do something photographic on America. And I stumble onto it.

EO: And what you saw in those pictures resonated with your study of the history of photography?

DR: Yeah. I had spent a massive amount of time looking at photographs in the FSA archive and the other collections on the Library of Congress website, and what I saw on Google Street View were pictures that looked like parallels or continuations of that work.F

Let’s look at some of the photos from FSA archive.

Negro going in colored entrance of movie house on Saturday afternoon, Belzoni, Mississippi Delta, Mississippi

有色人種用のエントランスから映画館へ入っていく黒人 ミシシッピ 1939年

Negro house in New Orleans, Louisiana, 1936, Walker Evans

ウォーカー・エヴァンスが撮影した黒人の家。

#34.966001, Helena, AR(2008), 2010, from A New American Picture

作品のテーマが見えてきましたね。リカルドがこのようなテーマに取り組むことになるのは育った環境が関係しているようです。

リカルド:父親が郊外の巨大な教会の牧師だったんだ。それだけでなく、祖父、ほとんどの叔父、親戚が宣教師や牧師という家庭で育ったんだ。カレッジでアメリカの歴史を勉強して、表向きには語られない歴史の暗部、現実にショックを受けた。特定の人種、特にアフリカン・アメリカンに対する信じられないほどひどい扱いにね。

毎週日曜日には教会に行き、世の中のきれいごとばかり教えられて信じてきたあとに、アメリカの現実を知った驚きや怒りが長い時間を経て作品づくりのモチベーションになっていきます。

はじめはメンフィスやミシシッピ、アラバマなどの南部の小さな町をストリートビューであてずっぽうにバーチャルトリップしていましたが、ドロシア・ラングやベン・シャーン、ウォーカー・エヴァンスなどが1930年代に訪れた町を(ストリートビュー上で)再訪したり、貧困地域に関するネット上の掲示板などで得た情報をもとに対象地域を絞っていきます。

アメリカ写真の歴史を意識しながら、今の時代を写すストリートビューという新しいツールを使って表現したこのシリーズ、「A New American Picture」というタイトルがしっくりきますね。

最後に、リカルドの活動すべてに必須のインターネットについて聞いてみましょう。

Now you know the subject of this work. What motivated Rickard to make it?

DR: My father was the pastor of a suburban mega church. Also my grandfather,most of my uncles, my brother-in-law,and many cousins were and are preachers and missionaries. When I studied American history in college, and was exposed to other points of view on America’s present and past, I was shocked by what I learned. I saw a side of America that was dark and incredibly brutal to many groups of people – African Americans, in particular.

In the end, the photographer talks about internet, which is essential to all of his activities.

インターネットの使い方

インタビュアー:インターネットが私たちの生活をバーチャルでより孤独なものにしているという主張もあるけど、少なくともあなたはそう思っていないように見える。それは世界を開き、写真の歴史を学び、行ったことのない場所を見ることができ、作品を広めることができる、完全に新しいライフスタイルと制作の助けになっているわけだ。

リカルド:考えるとすごく不思議だよ。アメリカの田舎に住んでいて*5、いま自分やっていること全部が10年前には実現不可能なことばかりだ。アート・ワールドにこんな疎外された場所からアート・スクールにも行かず入っていくこと、広大なアメリカをバーチャルに旅ができること、写真記事のオンライン・アーカイブをつくってそれに何万人もの人が毎月訪れること、それが全部一人でここ片田舎のスタジオからできるんだ。まったく新しい世界だよ。だけど新しいものが古いものを否定する必要はないと思っている。単純に発展、拡大しただけなんだよね。デジタルカメラが登場した前と後で写真が分断してしまったわけではなく、今までもこれからもすべてひとつのつながりであるはずなんだ。

EO: There is a great deal of concern right now that the Internet is making us more isolated, that we are all retreating into our own virtual worlds and becoming more disconnected from one another, but that has not been your experience. The web has opened up the world for you. It enabled you to educate yourself about the history of photography,  go places that you would otherwise have been unable to visit, develop a following for your work, and meet other photographers. Thanks to the Internet you have a completely new life.

DR: Yeah, it is really strange if you think about it. I am very isolated geographically, and what I have done could never have happened in prior decades. Entering the art world from a removed place and and without going to art school, traveling the country virtually, publishing an online archive and magazine that has tens of thoughsants of readers per month, and doing it alone from an isolated studio in a suburb, this is all because of the web, It’s a new world. But  the new doesn’t have to negate the old. I see it as an expansion, I don’t think there is a line of demarcation where all of a sudden, digital photography came in and it separated from everything is connected to what preceded it, as to what lies ahead.

*1 記事は英語ですが、写真や動画が豊富に見られます。一見の価値あり
*2 2007年にまずはアメリカの一部の都市からサービスをスタート。2013年現在世界中にエリアを拡大中。ストリートだけでなく、美術館の中やエベレストの頂上などあらゆる場所を撮影しネット上に公開。そのうち、申し込めばGoogleが家まで撮影に来て「Google自宅ビュー」で公開してくれる時代が来るかもしれません。
*3 大恐慌下のアメリカで、ルーズベルト大統領が出資した「前代未聞の規模を持つ社会調査」。南部を中心にアメリカ全土に写真家が飛んだ。
*4 アメリカ議会図書館(Library of Congress )のサイトで公開されています。
*5 リカルドは現在カリフォルニア州サクラメントを拠点に活動している。

カメラを使わない作品 第7回 Googleストリートビュー #3 Works without Camera Google Street View #3

Posted in site trekking by iseki ken on 2013-05-22

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Googleストリートビューを使った作品、第3回です。

アメリカ人写真家、Doug Rickard(ダグ・リカルド)の写真集を紹介します。

タイトルは『A New American Picture』。

I would like to introduce a photobook.

The title is A New American Picture. Photographer Doug Rickard utilized Google Street View to make this series of work.

「アメリカン」というと、日本人にとっては若干薄めのコーヒーですが*1、写真ワールドではロバート・フランクの『The Americans』、ウォーカー・エヴァンスの『American Photographs』、スティーブン・ショアの『American Surface』など巨匠の名作が思い浮かびますね*2。

その「アメリカン」ラインアップを踏まえて、「新しいアメリカンピクチャー」と題されたこのシリーズ、Google Street Viewを利用して制作された作品なのですが、作品のコンセプトや背景などを、写真集の巻末に収録された作家のインタビューを拾い読みしながら見ていきましょう*3。

In Japan, “American” means coffee which is not too strong*1 but of course for photography lover, it reminds us of many masterpieces, such as The Americans by Robert Frank, American Photographs by Walker Evans, American Surface by Stephen Shore etc.

Doug Rickard’s photobook ,titled A New American Picture, has probably been named after those works by the masters. I found a conversation between the photographer and a interviewer Erin O’Toole at the end of the book. It helps to read this work and also about the artist and the what motivated Rickard to make this book.

About the photographer

インタビュアー:どうやって写真を学んだのですか?

リカルド:完全に独学なんだ。アートスクールにも行っていない。10年ほど前から写真の勉強を自分ではじめた。

インタビュアー:はじめはフィルムで撮って暗室作業も行っていた?それとも始めからデジタル?

リカルド:最初はデジタルで撮り始めた。それからフィルムを使い始めて、ネガをスキャンしてプリントしていた。2009年にウェブを直接的に使って作品をつくりはじめたんだ。暗室作業はあまりやっていない。そういう意味では新しい世代かもしれない。

写真を始めたときにはデジタルもフィルムも両方あって、どちらも試して最終的にはウェブを作品の素材として使うことになったリカルド。そのあたりフレキシブルですね。デジタルかフィルムか論争には加わらないタイプのようです。

EO: Have you had any formal artistic or photographic training?

DR: No. I’m really self-taught. I didn’t go to art school. I discovered and started teaching myself photography about ten years ago.

EO: Did you start by shooting film and developing in a darkroom, or have you always worked digitally?

DR: I first started shooting digitally, then began working with film – scanning negatives but printing them digitally. In 2009, I started to make work directly from the web. I haven’t really spent significant time in a darkroom. In a way I am a product of a new era.

At the time he started photography, there were both film and digital already. Rickard tried both and eventually started to utilize materials on the web for his works. Seems like Rickard is not a person who debate whether-digital-is-photography-or-not thing.

#39.177833, Baltimore, MD(2008), 2011 from A New American Picture

ダグ・リカルドは、写真に関する記事やインタビュー、動画などをアーカイブする、写真ワールドでとても有名なAmerican Suburb X*4というウェブサイトを運営しているんです。

Rickard run the very famous website called American Suburb X which archives tons of articles, interviews and movies related to photography.

写真記事アーカイブサイト American Suburb X

リカルド:2006年頃、エグルストンやブレッソン、アーバスなんかの写真集を買いはじめたんだ。それから可能な限り写真に関しては何でも吸収した。そして2008年写真情報のアーカイブサイト、American Suburb Xをはじめた。その頃膨大な量の写真をインターネットで見ていたよ。そして面白い記事を見つけては自分のサイトにアップしていったんだ。

インタビュアー:その記事のアーカイブやリサーチ作業がどのようにウェブを利用した作品制作につながっていくんだろう?

リカルド:ASXをはじめたときはまだ自分でカメラを持って外で写真を撮っていたのだけど、すぐにインターネットという新しい可能性のあるフロンティアに興味を持ち始めた。

↑ 写真記事アーカイブサイト、American Suburb X。写真情報つまってます。

自分で立ち上げたサイトに、記事や写真家へのインタビュー、動画などを集め、編集していく過程で、さらに写真の歴史にのめり込んでいったそうです。おそらくは自分の興味や勉強のためにやっていたと思いますが、すぐにたくさんの人が参照する重要なウェブサイトになりました。ウェブ上の誰もがアクセスできるアーカイブ。インターネットが可能にした試みですね。

外へ出て写真をたくさん撮ることよりも、ウェブで写真を見たり歴史を勉強したり、サイトを運営することが作品づくりにつながっていきます。続いては作品のテーマを見ていきましょう。リカルドはGoogle Street Viewから決定的瞬間やきれいな風景を探しているわけではないんです。

後編に続きます。

DR: Around 2006, I started buying books by people like Eggleston, Cartier-Bresson, Arbus, and many others. I began to absorb everything about photography that I could. Then in 2008 I started ASX. I was viewing tons of  photography online, using the Internet as my library, and then posting what I found compelling on my site.

EO: How did that intensive archiving and research evolve into actually making work drawn from the web?

DR: When I first started ASX I was still making some photographs out in the world, but I quickly became more and more interested in the Internet as a frontier of new possibilities.

Through collecting and editing the photography materials, Rickard started to get obsessed about learning the history of photography.

In the latter part, you will see the concept and background of this work. He is not just looking for decisive moments or beautiful landscapes in Google Street View.

*1 アメリカン・コーヒーは和製英語だそうです。
*2 他にもJoel Sternfeld『American Prospect』、Richard Avedon『In the American West』、Lee Friedlander『The American Monument』など 
*3 インタビュアーはSFMOMAのアシスタント・キュレーター、Erin O’Toole
*4 以前ブログ記事、世界の写真サイトトレッキング で紹介しましたのでこちらもどうぞ

*1 At old style coffee shops in Japan, ‘Blend’ means regular coffee and ‘American’ is Blend with a little bit more hot water.
*2 Others are American Prospect by Joel Sternfeld, In the American West by Richard Avedon, The American Monument by Lee Friedlander etc.
*3 Erin O’Toole is assistant curator at SFMOMA
*4 We picked up American Suburb X in our  blog before.

(井関ケン Ken Iseki)

 

エグルストンさん、質問です。Q&A with Egglston

Posted in site trekking by iseki ken on 2013-05-4

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イギリスの新聞、The IndendentのWebサイト上で、カラー写真の巨匠エグルストンに写真家やキュレーターが質問をするという記事がありました。みなさんいろいろなことを聞いています。

I found an article in which photographers, curators and fans questioned William Eggleston. It’s quite interesting. Let’s see.

まずはテートモダンの写真部門キュレーター、サイモン・ベイカーの質問。

Q: 自身、他の写真家の作品問わず、あなたにとって一番最初の重要な一枚は何ですか?

A. 洲の刑務所で二十歳かそこらの時に撮った受刑者たちの写真だね。

理由が気になる回答です。

The first question is by Simon Baker, curator of photography, Tate Modern

Q: What was the first photograph that was important to you (by you or anyone else), and why?

A. A picture I took of some prisoners at the state penitentiary. I’m guessing I was about 20 at the time.

The answer makes us want to know the reason, doesn’t it?

 

続いては、The Photographer’s Galleryのディレクター、ブレット・ロジャース。

Q: 先日ギャラリーで貴方の作品を展示した際に、説明として「日常をスナップショットスタイルで撮る」と書きました。1月に写真家のナン・ゴールディンがギャラリーに来てこの説明に異議を申し立てました。貴方のアプローチは「スナップショット」ではないとのことです。ご自分ではどのようにお考えですか?

A: ありがとう、ナン。

Next one by Brett Rogers, director, The Photographers’ Gallery.

Q: When we recently showed an Eggleston image at the Gallery, we wrote on the accompanying caption that you photograph scenes of everyday life with a ‘snapshot style’. When Nan Goldin visited in January, she took exception to this, saying yours was definitely not a ‘snapshot’ approach. What is your view on this description of your approach?

A: Thank you, Nan.

Memphis, from William Eggleston’s Guide

そしてそのナン・ゴールディンからの質問。

Q: パリで一緒にすごしたこと覚えてる?結婚してくれるのよね?

A: もちろん。

本当に結婚したら、写真界のビッグカップル誕生です。

And Nan Goldin questions.

Q: Remember our times in Paris? Are you still gonna marry me?

A: Yes, no question about it.

If they really got married, it would be a sensation.

 

テートモダン ディレクター、クリス・デーコンはプリントサイズについて。

Q: テートモダンで貴方の美しいダイトランスファープリントを展示しようとしていますが、プリントのサイズをどのようにお決めになっているのでしょうか?

A: ダイトランスファーの小さめのと大きなピグメントプリントの二つのサイズに最近落ちついたところだよ。

昔の有名なイメージを新たに大きなピグメントプリントで制作、販売したことで話題になったのも記憶に新しいですね。

Chris Dercon, director, Tate Modern asks about print size.

Q: As we are about to show some of your beautiful dye-transfer prints at Tate Modern, I have been wondering how you decide on the size of the prints you make.

A. I have currently settled on two sizes: smaller dye transfers and large-format pigment prints.

Eggleston made large pigment prints of his iconic images and sold them lately.

Memphis, from William Eggleston’s Guide

インディペンデント誌アート・エディター、アリス・ジョーンズの質問。

Q: インスタグラム(写真共有ソーシャル・ネットワーク・サービス)についてどう思いますか?

A: それが何か知らない。

メンフィスにいるエグルストンがiPhoneで撮った写真をinstagramでシェアする。あまり想像できないです。

Next question by Alice Jones, deputy arts editor, The Independent.

Q: What do you think of Instagram?

I don’t know what they are.

I cannot personally imagine that he shoot by iPhone in Memphis and share the photos through SNS.

 

続いてはイギリス人写真家、マーティン・パー。

Q: 1970年代の写真と今撮っている写真ではどう違いますか?

A: 撮っているものが違うね。

Martin Parr’s question.

Q: What is the difference between your current shooting and that of the 1970s?

A: The subject-matter is different.

Algiers, Louisiana, from William Eggleston’s Guide

同じくイギリス人写真家のジェイソン・エヴァンス。

Q: アート作品をつくる写真家と写真作品をつくるアーティストの違いは何でしょうか?

A: 違いがあるのかどうかよくわからない。

Jason Evans’s question.

Q: What’s the difference between a photographer who makes art, and an artist who makes photographs?

A: Not sure there is any difference.

 

アメリカ人写真家、アレック・ソスはロバート・フランクのこの発言を引用。

Q: 数年前、ロバート・フランクがこう言っていました。「現代は写真やカメラが溢れていて多すぎる。馬鹿げたことに我々は全員監視されていて、どんなアクションも無意味になっている。もしすべての瞬間が記録されるなら、もう何も美しくないし写真はすでにアートじゃないかもしれない。もしかしたらアートになったことさえないかもしれない。」これについてどう思いますか?

A: その発言のどの部分に対しても異論はないね。

Alec Soth quotes Robert Frank’s words.

Q: A few years ago Robert Frank said, “There are too many images, too many cameras now. We’re all being watched. It gets sillier and sillier. As if all action is meaningful. Nothing is really all that special. It’s just life. If all moments are recorded, then nothing is beautiful and maybe photography isn’t an art any more. Maybe it never was.” What do you think about this?

A: I don’t disagree with any part of that statement.

Memphis, from William Eggleston’s Guide

イギリスのバンド、プライマル・スクリームのボビー・ギレスビーも質問しています。
Q: 1960年代、メンフィスのパーティーで当時12歳だったアレックス・チルトンにLSDをあげたって本当?

いや、あげてない。

Primal Scream’s front man Bobby Gillespie’s question.

Q: Did you really give the 12-year-old Alex Chilton [the late singer with Big Star] LSD/acid at a party in Memphis in the 1960s?

A: No.

 

写真家のポリー・ボーランドは死生観について。

Q: 死についてどう思いますか?

A: まだそこまでいってない。

Photographer, Polly Borland’s question.

Q: What are your feelings about death?

A: I haven’t been there yet.

 

フォト・エディター、ニック・ホールの質問。

Q: 好きな色はありますか?

A: 昔は緑だったけど、今はないよ。

そういえば、写真集『William Eggleston’s Guide』のテキスト部分、緑色の紙でしたね。

Nick Hall, picture editor, The Independent Magazine’s question.

Q: What’s your favourite colour?

A: It used be green when I was young. Now I don’t have a favourite.

Near Minter City and Glendora, Mississippi, from William Eggleston’s Guide

さらに質問が読める原文はこちら

The original article is here.

(井関ケン Ken Iseki)

PARIS PHOTO 2012 by 高橋マナミ(後編)

Posted in site trekking by tomo ishiwatari on 2012-12-25

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ただいまイギリスに短期滞在中のちゃんこさんより届いたパリフォトレポート後編です!

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さて・・・写真に戻ります。

Let’s go back to the topic of photographs.

こちらは、「Bernd & Hilla Becher In Prints 1964-2012」と題した企画展。
Bernd & Hilla Becher(1931-2007 / 1934-、Germany)のアプローチを、作品集・展覧会カタログ・リーフレット・インビテーションカード・ポスターなどの印刷物で構成した展示です。

This is the special exhibition, ‘Bernd & Hilla Becher in Paris 1964-2012′.
It consists of the printed materials which were books, catalogues, leaflets, invitation cards, posters, etc.



一番上は、ドイツの建築雑誌『Bauwelt』(1966)。
真ん中は、1968年の展覧会カタログのリミテッドエディション。55部限定で、10枚のプリントが封入されていたとのこと。AGFAの箱がかわいいです。
一番下は、ポスターやインビテーションカードなど。シンプルでかっこいいです。

The upper one is ‘Bauwelt’ which was German architectural magazine published in 1966.
The middle one is the limited edition of the exhibition catalogue issued in 1968. Only 55 copies were issued. Each copy contained 10 different photographs. This AGFA box is very cute.
The lower one are posters, invitation card, etc. These had simple and cool design!

みなさん、お気に入りをパチリと携帯カメラに収めていました。

Visitors took mobile-phone pictures of their favorite works.

こうした展示やサイン会のほか、トークイベントも行われていました。

In addition to these exhibitions and book signings, some talk events were held.

こちらは、「”Pecha Kucha” session」。
9人のアーティスト・キュレーター・批評家たちが、自身の作品や取り扱っている作家に関するプレゼンを行うのですが、それぞれ持ち時間がくると強制的に終了となります。

「PechaKucha」は、1人20枚のスライドを20秒ずつでプレゼンする形式(日本語の「ぺちゃくちゃ」からきている)。今回はおそらく20枚というルールには則っていなかったようですが、そのトータル時間に合わせ、”約7分でのプレゼン”というやり方で行われていました。

上の写真は、Michael Schmidtの写真集『LEBENSMITTEL』を紹介するTATEのキュレーター、Simon Baker氏。

This is ‘Pecha Kucha session’ that 9 artists, curators and critics made presentations of selected exhibitions, works and artists. When their time were up, they have to end their presentations.

‘Pecha Kucha’ is one of the presentation format which participants show 20 images, each for 20 seconds. Probably this ‘Pecha Kucha session’ didn’t follow the 20 images rule but adopted that total time, 7 minutes.

The person who is in the picture above is Mr. Simon Baker. He is a curator of photography and international art, TATE, London. He introduced Michael Schmidt’s book ‘LEBENSMITTEL’.

アメリカの写真家、Alec Soth氏(1969-)も登場。
自身の最近の活動について話をしていました。

Mr. Alec Soth who is American photographer also made a presentation of his recent action.

そしてケルンにあるShaden.comのパブリッシャーでキュレーターのMarkus Schaden氏。
現在ブックショップとしてはSchaden.comは閉鎖しており、その閉鎖以降に起きた不幸をユーモアたっぷりに話していました。

そのひとつがホンマさんの『東京郊外』にまつわる話。
Schaden氏はブックショップ閉鎖時に、『東京郊外』を700ユーロで販売して手放すことになったそうですが、今回のParis Photoでは『東京郊外』がなんと6,000ユーロで販売されていた・・・!!とのことでした!すごい。

And he is Mr. Markus Schaden who is a publisher and independent curator, Cologne.
He talked about some misfortunes which happened after closing his bookshop with good humor.

One of the topics was the story about Takashi Homma’s book ‘Tokyo Suburbia’.
He sold ‘Tokyo Suburbia’ for €700 when he closed his bookshop. But at this Paris Photo, he discovered that ‘Tokyo Suburbia’ was sold for €6,000…!!

それがこちらですね!↓

以上、Paris Photoに行ってきました、の報告でした。

That’s all for my report of Paris Photo.

PARIS PHOTO 2012 by 高橋マナミ(前編)

Posted in site trekking by tomo ishiwatari on 2012-12-24

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こんにちは。
現在イギリスに短期滞在中のちゃんこさんから11月に行われたパリフォトのレポートが届きました!
まずは前編です。

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イギリスに短期滞在中の高橋マナミです。
1年以上前にbetween the books ツイッターをご覧になってた方は、お久しぶりです、ちゃんこです。

11月15~18日にパリのグラン・パレで開催された「Paris Photo 2012」に行ってきましたので(初めてのパリ)、掻い摘んで報告します。
今年は128のギャラリーと23の出版社が出展したそうで、世界最大級の国際的写真フェアとあって、とにかく大規模。会場も立派です。

I’m Manami Takahashi. I’m a Japanese photographer. I’m staying in U.K. for 3 months.
I went to ‘Paris Photo 2012′ which was held at Grand Palais in Paris from 15 to 18 November.
I report about it briefly.
Paris Photo is one of the world’s largest photo exhibitions.
128 galleries and 23 publishers & editors participated this year.
The venue was great.

入場料は28ユーロと決して安くないのに、金曜のお昼過ぎでもすごい人でした。

It was crowded on Friday afternoon in spite of a high admission fee which was €28.

外観も豪華ですが、中身も立派。
1日でまわろうと思ったらとても無理で、夜にはヘトヘトに・・・
金・土曜と2日かけてまわってきました。
いくつか気になった作品などをご紹介します。

The exterior of Grand Palais was gorgeous. The interior was also nice.
I couldn’t see all exhibitions in one day.
I needed two days.
I introduce some works.


Jeff Cowen(1966-、NY) 「Camille 1&2」

アムステルダムの写真美術館Huis Marseilleの企画で、反復などイメージの掛け算的な見せ方でその存在感が強固になっている作品を紹介したコーナーで展示されていました。

These photographs were exhibited at the project by Huis Marseille which is the photo museum in Amsterdam.
This project introduced some works which had the strengths by the reiteration, mirroring, doubling and scaling.



Michael Wolf(1954-、Germany)

彼の作品は複数のギャラリーブースで紹介されていました。
上は香港の集合住宅群を写した「architecture of density」、下は東京の満員電車でドアに押し付けられた人たちの顔を写した「Tokyo Compression」。

His works were exhibited at multiple galleries’ booths.
The upper one is ‘architecture of density’ which consists of photographs of housing complexes in Hong Kong. The lower one is ‘Tokyo Compression’ which consists of photographs of human faces pressed tight against glass windows of crowed trains in Tokyo.


Davit Goldblatt(1930-、South Africa)

先日ロンドンのBarbican Art Galleryで展示を見て以来気になっていた作品もありました。かっこいい。

I saw his works at Barbican Art Gallery in London.
I’m interested in his works.


Philip-Lorca diCorcia(1951-、America)

彼の作品をプリントで見られて嬉しかったです。
一番見たかったのは「Heads」だけど、それは残念ながらなかった・・・。

I was glad to see his prints directly.
I wanted to see his work ‘ Heads’, but unfortunately it wasn’t exhibited.



上は1946年のビキニ環礁核実験、下は1945年の原爆投下後の広島の写真

いずれもアメリカ軍によって撮影された写真のようですが、こういったものもギャラリーで取り引きされているのですね。
少し驚きました。

The upper one is ‘Able, Operation Crossroads, Bikini Atoll’, 1946.
The lower one is ‘Hiroshima after the Bomb’, 1945.
These were taken by U.S. Armed Forces.
I was surprised that photographs like these were traded at art galleries.

中平卓馬さんの作品がNYのギャラリーのブースに。

There were Takuma Nakahira’s works at the booth of the Gallery in NY.

こちらは出版社のブースが集められた一角。
そのあたりをウロウロしていたら、何やら人だかりが・・・。

There in one corner were publishers’ booths.
I walked around there and saw a crowd of people…

あ!Martin Parr氏!!(1952-、U.K.)

Oh!! Mr. Martin Parr!!!

ちょうどサイン会が始まったところだったようです。
Paris Photoではこのように、作家によるサイン会が多数セッティングされています。

His book signing just started.
A lot of book signings were held at Paris Photo.

Parr氏はサイン会終了後もしばらく残って、訪れた人と話をしていました。
すっかりミーハー気分になってサイン会スケジュールを確認すると、ちょうどWilliam Klein氏(1928-、America)のサイン会も行われている模様!
ギャラリーブースへ小走りで向かうと・・・

After the book signing, Mr.Parr stayed there and talked with visitors for a little while.
I confirmed the schedule of other book signings.
Just at the moment, the book signing by Mr. William Klein was being held!
I scurried to the booth…

いらしたー!ご本人!

He was absolutely Mr. William Klein!!


四方八方からお姿を拝見し、単なるミーハーと化していました・・・。

I saw him from all directions like a fangirl…

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続きます!

Alec Soth’s Workshop アレック・ソスのワークショップ(後編)

Posted in site trekking by iseki ken on 2012-12-19

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Alec Soth(アレック・ソス)のワークショップ(後編)です。

前編はこちら

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ソス: OK。さっき君はプロの写真家になるつもりはないと言ったね。じゃあこれは誰のために、誰に向けてつくっているの?

アントニオ: いや、プロの写真家になろうとはしていないけど、もちろんたくさんの人に見てもらいたいとは思っているよ。

ソス: 僕の友人の写真家の話をしようか。彼は特に有名ではないし名前はあえて出さないけど、彼は常に写真を撮っていて自分で写真を編集しては本をつくり続けている。1年で8冊はつくるよ。

ソス: それはそれでいいことだよ。なにも問題ない。ただそんなにたくさんの写真があるとどうしてこれを選んだのか、なぜこの写真がこっちよりいいのかって思う。君の作品もそう。

これは来週の「Democratic Jungle」と題したレクチャーで話そうと思ってたことで、どのように写真がDemocratic(民主的)になっていったかという話なんだけど。

William Eggleston(ウィリアム・エグルストン)は知ってるよね。彼は『Democratic Forest』という写真集を作っているけど、彼はある日森の中を歩いていて、突然まわりのものすべてが興味深く見えた。すべてのものは被写体になりえると悟ったんだ。他のたくさんの写真家も影響を受けたし、みんなすごく素敵なことだと思った。なんでも写真に撮れる、天井のライトだって、一見つまらなそうな空き地だって、あれもこれも全部写真になる。

ソス: それからその民主的(democratic)な撮りかたが世の中にあふれかえった。些細で素敵な日常を撮った写真だらけになってしまったんだ。それらをいま撮る意味ってなんだろう?

自分のためだったらいい。世界を新鮮な自分だけの視点から見ることができる。だから写真はすばらしいしたくさんの人の趣味になるんだ。

ただもう一歩先に行くには、それらを撮るだけではなくて、それらを形づける何かが必要になった。少なくとも僕がいいと思える作品には必要なことなんだ。

ソス: 僕がいま写真でストーリーを語る手法をつかっているのも、もうこれ以上素敵なフラグメンツ(断片)は僕は撮れないと思ったからなんだ。

君の写真にはたくさん面白いものが写ってる。ただ全体でそれらがつながってこない。だからさらにその上の何かが必要なんだ。例えばリンコ(川内倫子さん)の作品にはそれがある。彼女自身が作り上げた強いものが。だけど世の中にはそんなにたくさんのリンコは求められていないんだ。

Alec Soth’s Workshop アレック・ソスのワークショップ(前編)

Posted in site trekking by iseki ken on 2012-12-18

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

イタリアで行われた、Alec Soth(アレック・ソス)のワークショップの様子がYouTubeにアップされていました。すごい時代になったものですね。早速のぞいてみましょう。

Hi, this is Ken Iseki, the Editor at between the books.

An Italian guy, Antonio Muñoz De Mesa, who participated in Alec Soth’s workshop in Italy uploaded this video on YouTube. Soth is reviewing the dummy books Antonio made. His comments are little bit severe at some part but it’s really worth watching for everybody who is trying to make good works. Thank you Antonio for bravely sharing this experience.

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(部屋には十数名の参加者、俳優の仕事をしながら写真を撮っているという参加者のひとり、アントニオの作品を見るアレック・ソス)

(1冊目の作品集を見るソス)

アントニオ: これは僕がつくったダミー本なんだ。

ソス: OK。

アントニオ: あともう一冊あって、これはローマでの川内倫子さんのワークショップに参加したときにつくったものなんだ。

(2冊目の作品集を見るソス)

ソス: この水色の紙からはじまるのがいいね。この写真いいね、これもいい、面白い。

アントニオ: どの写真を選べばいいのかわからなかったから全部いれたんだ。

(だまって残りのページをみるソス。かなり量が多い。)

ソス: えーっと、、、じゃあ何を話したい?

アントニオ: 写真家として食べて生きたいわけではないんだけど、コンパクトカメラをいつも持ち歩いて、こうして日記のように写真を撮って本にまとめているんだ。それで、このダミー本について写真が多すぎやしないかとか、流れを変えた方がいいとかアドバイスをいただきたいと思って。

ソス: 写真は多すぎるね。あと横位置の写真の割合が多くて単調になってる。このページのブレイクはいいよね、あとここもいい、だけどその後こんなに写真が続くともうお腹いっぱいになってしまう。

アントニオ: 流れについては?

ソス: これを左ページにレイアウトしたのはすごくいいよね。この写真はあまりよくないな。こっちはいいよね。オレンジがきて、この写真にもオレンジがはいってる。しつこいかも、いやそうでもないな。

アントニオ: 確かに写真が多すぎるのは、今見てもらっていて僕も感じたんだ。ではどうやって。。

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後編に続きます。

 

Taryn Simonのプレゼン 2

Posted in site trekking by iseki ken on 2012-12-10

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

アメリカ人写真家のTaryn Simon(タリン・サイモン)によるTEDでのプレゼンテーション、もうひとつ紹介します(前回の記事はこちら)。

彼女は前のプレゼンで「私の作品制作の90%は、実は写真を撮ることではありません」と言っていました。

今回はどうでしょうか。

 

「私が関心をもったのは、運命にまつわる考えや血縁や偶然や境遇によって運命は決まるのか、といったことです。」

運命にまつわる考え方をテーマに写真を撮る。気になりますね。

続きはプレゼンを見てみてください。

タリン・サイモン「血脈の裏にある物語」日本語字幕付き動画はこちら。