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2つの『Twentysix Gasoline Stations』

Posted in Found Photo by iseki ken on 2011-09-21

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

今日は、1冊の写真集を紹介したいと思います。

まずは下の動画を見てみてください。なんの変哲もない航空写真です。



実はこの作品、ドイツのアーティストJoachim Schmidが、Google Earthから26のガソリンスタンドを探し出して本にしたという、ただそれだけの写真集なのです*1。

ではなぜ、26なのか、空から写したまったくフォトジェニックでないガソリンスタンドなのか、気になりますよね。

実はこの作品、アメリカ人アーティストEd Ruscha(エド・ルシェ)*2の1960年代の作品を引用しているんです。

ルシェは1960年代から70年代にかけて、写真を使って10冊以上、こういったアーティストブックを作りました*3。『Twentysix Gasoline Stations』(26のガソリンスタンド)はその中の1冊で、アメリカ西部のガソリンスタンド*4をモノクロでシステマチックに撮影した作品集です。今ではアーティストブックを作ることはポピュラーになっていますが、ルシェのこれらの作品集はコンセプチュアルなアーティストブックのさきがけとして重要なものと位置づけられています。

Joachim Schmidはこの作品を引用し、自分で同じような写真を撮るかわりに、ネット上から写真を見つけてくるという、現代のやりかたで作品にしたんですね。

Ed Ruschaの『Twentysix Gasoline Stations』。ガソリンスタンドが撮影されたロケーションと写真のみのシンプルな内容。

そういえば、ルシェはなぜ31でも18でもなく「26」という数字を選んだんでしょう?単純にその数字が好きだったのかもしれません。

オリジナルの『Twentysix Gasoline Stations』。カバーは文字のみ。

 

*1この写真集は『Twentysix Gasoline Station』だけでなく、他のEd Ruschaの作品、『Every Building on the Sunset Strip』『Thirtyfour Parking Lots』などを引用した写真も含まれているのですが、ここでは分かりやすくするために説明を省いています。
*2 Ed Ruscha(エド・ルシェ)1937年生まれのアメリカ人アーティスト。作品の形態は、ペインティング、ドローイング、写真、アーティストブックなど多岐にわたる。アメリカ西部のシティスケープと文字を組み合わせた作品が有名。
*3 『Twentysix Gasoline Stations』は1963年出版。他にはサンセット・ストリートをくまなく撮影し、蛇腹形式の本に仕上げた『Every Building on the Sunset Strip』(写真下)など。


*4 当時ルシェは、住んでいたカリフォルニアと故郷のオクラホマを年に数回往復していて、このアイデアを思いついた。

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Widows Widows Widows

Posted in Found Photo,Works by iseki ken on 2011-02-25

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

ホンマさんの巡回展の出品作品のひとつでもある『Widows』、この作品はイタリアのFANTOM Editionsから写真集として出版されているのですが、海外のブログ/サイトで紹介されているのを見つけましたので集めてみました。

アメリカ人写真家Alec Soth (アレック・ソス) のブログLittle Brown Mushroom

 

フランス人のライター/キュレーター Marc Feustel (マーク・フューステル)のブログeyecurious

 

アメリカ人の写真家/ライター Shane Lavaletteのブログ

 

同じくアメリカのphoto-eye MAGAZINE

 

 

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木村友紀「無題」@ IZU PHOTO MUSEUM(後編)

Posted in Found Photo,site trekking by iseki ken on 2010-10-4

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後編では、ファウンドフォトを用いている海外のアーティスト/作品を2つ紹介したいと思います。

Tacita Dean(タシタ・ディーン) /「FLOH」
タシタ・ディーンは1965年生まれのイギリス人で、映像やドローイング、写真などを用いて作品を制作しているアーティストです。この「FLOH」という写真集は、彼女が7年の間にヨーロッパやアメリカの蚤の市で買い集めた写真の中から163枚を選び編集したものです。それぞれの写真にキャプションはなく、並びあう写真にはまったく関係性がないため、それが逆に見るものの想像力をかき立てます。

 

ケッセルスクライマー /「Useful Photography」
ケッセルスクライマーはアムステルダムを拠点とした国際的な広告代理店ですが、ケッセルスクライマー・パブリッシングという出版部門を持ち「Useful Photography」というファウンドフォトを用いた写真集を2000年から毎年1冊ずつ出版しています。

各写真集ごとに明確なテーマを設けていますが、この2000年に出版された「Useful Photography #001」では、製品カタログや取扱説明書、各種マニュアルや教科書などから「役に立つ」写真を選び出し編集しています。

ケッセルスクライマーの共同創設者で、写真集の制作者の中心人物でもあるErik Kessels(エリック・ケッセルス)はインタビュー*1の中でファウンドフォトの魅力や可能性についてこう答えています。

個々の一枚のファウンドフォトにはまったく興味がありません。むしろ、ひとまとまりになっていたり、連続していたり、あるいはそうした集合が語る物語の方に興味があります。ファウンドフォトはもはや特別なものではないのです。インターネット上の至るところに溢れています。そこでは、人々が何十もの、ときには何百もの写真をグループ化しているのですから。しかし、そのなかでも、物語が含まれていたり、面白い物語を語るのはごくわずかです。そういうわけで、私はこうしたプロジェクトに向かい、関わろうとするのです。
photographer’s gallery press no.9 p.113より

*1 photographer’s galleryが発行している年刊誌 photographer’s gallery press のno.9 p.110-p122 掲載のインタビュー記事 『「有用」な写真 ー エリック・ケッセルス(ケッセルスクライマー)に聞く』

 

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木村友紀「無題」@ IZU PHOTO MUSEUM(前編)

Posted in Found Photo,site trekking by iseki ken on 2010-10-1

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9月5日(日)から来年1月11日(火)までIZU PHOTO MUSEUMで木村友紀さんの展覧会「無題」が開催されています。

木村さんは「ファウンドフォト」と呼ばれる手法を用いています。「ファウンドフォト」とは、昔の家族アルバム、フリーマーケット、インターネットや道端などにある(見つけられる)、主に撮影者や撮影時期が不明で匿名の写真を利用することです*1。


本展覧会では、木村さんが「旅行中に撮影したもの、祖父のアルバムの中に見つけたもの、世界各所の様々な街で買い集めたもの、友人から贈られたものなど、別々の経緯で作家の手に渡り、それぞれのテーマに沿って厳選され*2」た写真が用いられています。また写真だけではなく、石や観葉植物などのオブジェを写真とあわせて展示しています。写真の上に石が置かれたり、観葉植物によって写真が隠されたりすることで、より「写真に写っているもの」や「見るということ」について考えさせられます。


パソコンの画面や写真集からではわからない、オリジナルプリントの質感に触れられることが写真展の目的の1つですが、木村さんの展示では、さらにオブジェや写真の配置など、より立体的な展示になっていますので、ぜひ少し足をのばして展覧会を「体験」してみてはいかがでしょうか?

次回後編では、同じくファウンドフォトを用いている海外のアーティスト/作品を紹介したいと思います。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1 家族写真や過去に自分で取った写真など、撮影者や撮影時期が特定できる写真が用いられることもありますが、「ファウンドフォト」の手法では、これらは作家性と切り離されて上記のような匿名的写真と同様に扱われることが特徴です。

*2 展覧会ホームページより

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