betweenthebooks.com

Images at Vevey : Yoshihisa Tanaka(Nerhol) × Yuji Hamada 後編

without comments

 (前編はこちらから)

nerhol_2t

Nerhol 田中(以下T)  僕らは日常にあふれてる行為みたいなものが基本的に

ポイントになってて、それを、日常なんだけど見えていないことを

見せるっていうことに重きを感じてるから。そう意味では共通してるかもね。

濱田祐史(以下H) そうだね。今それ聞いて日常からヒントを得ていることは意外だった。

T 出来上がったものを見るとえらいことになってるんだけど、

でもまあやってることはその辺に転がってる石を撮ってるのと同じだから。

H ああでもその感覚はわかる。

T でも日常は、どこまでもいつまでも今起きてることが

日常として存在できるかもわからないし、逆にブラジルとか、

違う国の人からすればうちらが普通に生活してる日常が非日常的に

見えたりするわけだから。

H そういうことを言ってる作品のなかで良かったのはフランシス・アリスのかな。

 T ああリールの。

フランシス・アリス

H あれは良かったな。というかあそこで見れたのが良かった。

展示する側で行ってるからさ、フラットな状態で、何も追われてないし、

すごくいい状態だったからいろんな作品がぐっと入ってきたな。

アリスの良かったな。いいも悪いも僕が言うことじゃないけどね(笑)

T でもフランシス・アリスはフランシス・アリスの建物として

用意されてるからね。階段まで上らされてさ、大きな建物に

フランシス・アリスの作品一点だけ展示されてて

みんな寝転んで見るっていうさ、ああいう状況もすごい重要なんだよね。

あれがすごい人だかりがあるような道沿いに映像としてあったら見ないよね。

H 見ないね。だからその辺のケアがちゃんとできてるんだよね。

T あの避暑地に近いような、あの地域に対して、ちゃんとどの作品を

どこに置くべきか、それぞれのこと考えて展示をしているのが

本当によくわかる。お決まりの、大きな空間に対してそこをグリッド状に

分けて展示する作品ていうのは一つもない。

H そうだね、今回初めてフェスティバルに参加したんだけど、

そういう意味ではちょっと中毒性があるね。ベンチに座ってると

いろんな意見が聞けたんだけど、とりあえず印象が伝わってるんだよね。

子供でも大人でも。初めて子供につっこまれた。知らない子供に。

祐史これはアルミニウムだろ?だろだろ?って何度も。

yuji hamada_2

T へ〜かわいいね。

H でおれは知〜らないって顔してるんだけど、絶対そうだろ、絶対そうだろって。

あれ11万人来てたらしいね。一ヶ月で。

T 11万人!?

H すごいね。

T あり得ないね。

H そういう意味ではグループショーでもフェスティバルになると

ちょっとしたソロやるよりも全然見てもらえるっていうのは感じた。

T やっぱりフェスティバルって見るっていうことに対して

いろんなこと考えてる。画像を完全にコミュニケーションとして

使ってるんだよね。

Daniel Schlaepfer

その地域に根ざした特色あるフェスティバルって何なのかって考えたときに、

レマン湖だったり、きれいな山だったり、公園が大きかったり、緑が多かったり、

気候も安定してるし、裸に近いようなかっこで泳いでいる人がいたりとか、

ああいう状態に適したものが何かってことをよく考えてる。

ほかの地域でベベイで同じことをやってもしょうがないから。

ほかの地域もほかの地域なりに何をやるべきかをちゃんと考えれば、

日本でももっと面白いことができるんじゃないかな。

eric kessel

H フェスティバルのキュレーションてああいうことなんじゃないかなって思う。

参加作家もバラバラじゃん。ファインアーティストやフォトグラファーもいれば

グラフィックデザイナーもいる、みんなバラバラなんだけど、

イメージを使ったプレゼンテーションというところはみんなつながってるんだよね。

それはキュレーションとして素晴らしいなと思って。

日本でも明確にひとつの大きなテーマがあって、ジャンルを超えて

セレクトをする人が出てきてくれると楽しいのになって思う。

T そういうことをアーティストが実践したいって言ったときに、

それを叶えようとする、面白がってくれる関係性が生まれれば

どんどん地域の面白さにもつながっていくと思うし。

H そうだね。写真においてもキュレーションは表現のひとつだと僕は思ってる。

例えるならDJと音楽家は違うとは思うけど、ぼくは音ということで考えると

DJも音楽家も同じだと認識してるところがあるのよ。

写真のフェスはあるじゃん。それはそれでいいし、あっていいけど、

もっと媒体を客観的にパトロールして自分の意見を持ってセレクトした

フェスティバルっていうのが出てきたらいいなって思う。

T あとはお金かなー。スイスの人超金持ちだから

H あはは、確かにその感じはあったね。

T 作家もみんなクオリティが高い。

H それは間違いないね。

T 世界中から選んで、わざわざフェスにしてるくらいだからそれなりのクオリティと

いうか、レベルの高さみたいなものは根底にあるにはあるんだけど。

でもきっと日本でもいつかできる気がするし、そういうのを面白がる

日本になってほしいなと思う。あと、これはグラフィックデザイナーとして

思ったんだけど、演出がimagesはうまかった。デザイン力は日本と

たいして変わらないんだけど、どこにお金をかけ、どういうvisualをつくれば、

鑑賞者はどういう印象を記憶するかポイントを熟知してると思う。

日本の場合、予算をかけるなら一人でも作家を多く呼びたい、もしくは予算を

捻出出来ないことが多いんだけど、本来はそのイベントが何を言いたかったかを

持ち帰ってもらうことが一番重要。それが機能しないと、

あの時のイベント・・・って思い返してもイメージ出来ない。

それらを伝えるためにもっとデザインを有効的に使っていってほしいなと

個人的には思ったなぁ。

 

H なるほどね。

 

最後になりますが、Festival Imagesのコーディネートをしてくれた

Ivan Vartanian氏に感謝いたします。

2014年10月 東京、幡ヶ谷鍋屋にて

 

Imagesのwebサイト↓

       Images

 

 

濱田祐史
1979年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。
出版社勤務後、2006年よりフリーランスになる。現在、東京を拠点に活動中。
hamadayuji.com

 

 

Nerhol(ネルホル) アーティストユニット

田中義久と飯田竜太によって 2007年に結成。 国内外の美術館やギャラリーの展覧会へ 参加し、 現代の経済活動が生み出し続ける消費と生成、忘却という巨大なサイクルの急所を突くような作品を一貫して制作している。2014年には、Foam Talent Call 2014に選出され、L’Atelier Néerlandais(Paris)やUnseen Photo Fair 2014(Amsterdam)、FESTIVAL IMAGES 2014(Switzerland)などのグループ展に参加。
2015年、Foam Museum(Amsterdam)にて個展開催予定。

www.nerhol.com

 

Written by tomo ishiwatari

2014/12/29 at 18:51

Posted in news