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Images at Vevey : Yoshihisa Tanaka(Nerhol) × Yuji Hamada 前編

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 yuji hamada_t

 

スイスのヴヴェイにて2年に1回開催されているアートフェスティバル、

Imagesに今年は日本からNerhol、濱田祐史が参加しました。

 

vevey場所

 

日本ではあまりなじみがなく感じられるフェスティバル

ですが、いったいどんな内容なのでしょうか。

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Nerhol 田中義久 (以下T) どうでしたベベイ?

濱田(以下H)いやー、おもしろかったねぇ。

T あのフェスティバル自体は何日間やっていたのかな?

H 一ヶ月弱かな、二年に一回、一ヶ月弱やってると思う。

T 世界中からいろんなアーティストが呼ばれて、写真を含めたイメージ全般を

取り扱って、しかも野外展示がメインなんだよね。

日本人で呼ばれてどうでしたか?第一印象としては。

H 嬉しかったですヨ。ヨッシーは例えば他の作家で気になる作品あった?

T これはやられた〜とかっていうことよりも、街でフェスティバルをする、

そこに作家がいる、みたいなその関係性をちゃんとキュレーターが加味して、

来た人たちが楽しむ、面白く見えるっていうことがすごく考えられたフェスだよね。

フェスティバルっていうものを作り上げていく考え方が

非常に優れてるなって思った。

H なるほどなるほど。僕は写真文脈から見てたんだけど、

「Images」っていうタイトルがよくできてて、

イマージュって日本語訳すると画像ってわりと突き放した言葉に感じない?

T たしかにフォトとはついてないよね。

H ぼくはその「Images」ってどういう意味はなんだろって思ってたの。

T たしかにビエンナーレでもないし、フェアでもなくフェスティバル

H フォトでもなくファインアートでもなくアートフェスティバルでもなく、

イメージのフェスティバル。写真を扱うものにとって特別な感じがしてたのね。

実際ヨーロッパでも、西のアルル東のベベイって言われるくらい

フェスティバルの中では違ったもので特に東のベベイはとがってるって

いう位置づけみたいで、何かに定義した展示っていうよりは、

見るっていうことはどういうことなのかということを発信してるというか、

企画してる側がそれを意識してキュレーションしてる。

そういうフェスティバルは多分世界でもあそこしか

ないないんじゃないかなって思う。

T アートフェスティバルに見られるサイトスペシフィックな要素を

盛り込んだ展示っていう意味での面白さもないことはないんだけど・・

コンセプチュアルに場所の意図を汲んで作品を配置してるっていうよりは

基本的にはみんな既存の作品をあそこに展示してるだけじゃない。

新たに何かを作るっていうことよりは、持ってる作品をその場所に合わせて

見せているっていうだけなのに街全体にそのフェスティバルの

面白さみたいなものが出てるし、作品もその場所でしか体験できないような

見え方になってる人が多かった。

まぁ祐史君の場合は山、湖が作品性に入ってるからそれをうまく活用してて

ドハまりしてるけど。

yuji hamada

H あはは、だとしたらあれはうまくいったのかもね。

例えば、リー・フリードランダーの写真はいわゆるストレートな写真じゃん。

でも本物の車屋さんの壁とショーウィンドー全体にプリントが展示されてて、

30メートルぐらいかな、あれとかは例としてわかりやすいなと思った。

写真の巨匠だろうが何だろうが写真としての意味じゃなくってイメージ、

“画像”としての構造になってる。敷居をすごく下げてんだよね。

フレーミングされて展示されてるフリードランダーのオリジナルプリントとは

また違って、街にパーンと放たれることで、

一般の人が意味を認識できるっていうより探るきっかけになってると思った。

Lee Friedlander

T そう、見る側の人のことをよく考えた展示だよね。

だってほとんどターポリンだしね。プリントじゃないじゃんみんな。

H 後から写真家の西野壮平(2012年にImagesに作品展示)くんに聞いた話で

面白いなと思ったのが、普通オープンエアのフェスティバルって終わったら

作品を捨てるじゃん、特にターポリンのものとか。

あれ、捨てないんだって。

T どうすんの?

H あれカットして、鞄にして、翌年のアルルのフォトフェスティバルで

販売したんだって。

T へえ〜。

H それを聞いたときにすごいなと思ったのは、最後まで作品を

ケアしてるっていうか、普通オープンエアのはオリジナルじゃないから、

終わったらばらして捨てるじゃん。ステファノ(主催者)のすごいところは

やっぱりそこなんじゃないかなと思う。言葉にかえすとイメージを

捨てないっていうことになる。つまり敷居は下げるけど、

別に諦めてないっていうか。むしろもっと伝えようとしてるっていうか。

もっともっと一般の人に写真をシェアしてもらおうっていうふうなことを

すごく感じた。

T お決まりのフォーマットに写真をあてがうってことではなくて、

そもそも作品がどういう可能性を帯びているかみたいなことを

自分なりに考えてる気がするよね。

H それすごくいい言葉だね。ほんとそうだと思うし、

かえってオリジナルプリントにも興味が広がるとも思う。

ヨッシーのネルホルの展示はレアンドロと同じ部屋で一緒にやったけど

どうだった?展示スペースのこととかさ。

確か上にはデュシャンのポートレート作品のレプリカがあって・・

T 間には、タイヨ・オノラトの映像。

H あはは、そうだ。タイヨ&ニコと、レアンドロと

T デュシャンっていう面子の中で、思いっきり海外の圧力を、

逆風をがっつり浴びたっていう・・

nerhol_1

 

Leandro Erlich_1

taiyo&nico

H あははは、あの面子はすごかった。メインの会場だったし。

T すごく勉強になった。さっきの話じゃないけど、

場所に適したものをチョイスして、それに合わせたイメージを

どういうメディウムに落とし込んでその空間に展示していくかって

いうことまで考えてやれなかったから、、、、というより

そこまでコミュニケーションをとれてる状態で作品を持っていけてない。

交渉も足りてないんだよね。しかも僕の場合はスペースがお城で、

何年か改装してようやく出来た新しい場所だし、今回初めて見て、

やっぱりそのイメージっていうのは、視覚だけではないっていう。

そこに人がいて、空間があって、五感で感じるっていうか、

それでようやく成立するものが多かったから。

今回特に「Images」に関してはそれが顕著だったし、そういう意味では

もっとやれることあったなって思う。

© Céline Michel,  Festival Images 2014_001
© Céline Michel,  Festival Images 2014

Céline Michel,  Festival Images 2014_003

© Céline Michel,  Festival Images 2014

 

H 次なる課題を・・

T 見つけたなって思うし、日本から異国で見たことのないスペースで

展示する場合に何をしなくてはいけないか、とか、

そういう意味では勉強になったかな。

祐史君の作品は、その点よく考えられてたっていうか。

 

H 僕の場合は早い段階からオープンエアーでって話が決まってたから、

だからもう僕は最初に湖に浮かべたいっていうのは提案していた。

でも最初は断られたの。倒れるから無理だと。実際に倒れたんだけどね、

嵐がきて。会期終了10日前に倒れちゃったんだけど(笑)

T それもそれで(笑)

H そうそう、倒れるのも込みで、狙ってはいて。

そうなったらなったでいいやって。まあ運良く会期の三分の二は

きれいに並んでたんだけど。たしか僕がベベイに着いて設営を見た時は

まだ潜水士が杭を打っててたから、少しでも長く持つようにギリギリに

設置してくれたんだと思う。

T でもあの作品にとってはベストポジションだと思うな。

H うん。あのプロジェクトに関しては完成が見えたなって思っていて、

次の課題でホワイトキューブでこの感じをどう見せるかっていうぐらいかな。

T 作品集にするとき展示風景の写真載せないの?

H 載せる載せる。あれはほしいよ。わりとたくさん入っててもいいのかな?

ってやっぱり一個でいいかな?

T 一個でいいよ。一個でもう「あ」ってなるから。ベストカットを見開きとかで。

H あれでやっとプライマルマウンテンは次は写真集にしたいなって思った。

したいなっていうかできるなって思った。

T だって元々スイスの知り合いから湖と山が写ったお決まりの

ポストカードが送られてきて、それを見て考え始めた作品でしょ?

それが最終的に本物の山とレマン湖の上に浮かんだ状態のものを

作品とするって・・完結だよ。

H 元々僕は自分の手に届く範囲のことばっかりやってるから、

作品自体もわかりやすいことの方がいいなと思って。

難しいことを難しいまま伝えるのって以外と簡単で、難しいことを

簡略化して伝える方が自分のプロジェクトとしては好みで

そういう意味ではうまくいったのかな、と思う。

ネルホルもそういう要素あると思うんだけどね。どう?

 

(後編へ続きます)

Imagesのwebサイト↓

       Images

 

 

濱田祐史
1979年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。
出版社勤務後、2006年よりフリーランスになる。現在、東京を拠点に活動中。
hamadayuji.com

 

 

Nerhol(ネルホル) アーティストユニット

田中義久と飯田竜太によって 2007年に結成。 国内外の美術館やギャラリーの展覧会へ
参加し、 現代の経済活動が生み出し続ける消費と生成、忘却という巨大なサイクルの
急所を突くような作品を一貫して制作している。
2014年には、Foam Talent Call 2014に選出され、L’Atelier Néerlandais(Paris)やUnseen Photo Fair 2014(Amsterdam)、FESTIVAL IMAGES 2014(Switzerland)などのグループ展に参加。
2015年、Foam Museum(Amsterdam)にて個展開催予定。

www.nerhol.com

Written by tomo ishiwatari

2014/12/21 at 23:30

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