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カメラを使わない作品 第4回 ケッセルスクライマーの仕事(前編)

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

自分で写真を撮らなくても作品を作ることができるんです。カメラを使わない写真作品を紹介します。

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ファウンド・フォトを使うアーティストや作品を取り上げてきましたが、今回はファウンド・フォトを使って写真集を作り続けているユニークなチームを紹介します。

オランダの広告代理店ケッセルスクライマーの共同創始者、エリック・ケッセルスは、自社内に出版部門を立ち上げ、2000年から毎年のようにファウンド・フォトを使った作品集を出版しています。

「Useful Photography」(「役に立つ写真」という意味)というタイトルのシリーズは、エリック・ケッセルスを含む複数の編集者と写真家のチームによって作られています。

Useful Photography #003 を見てみましょう。

普通のポートレート写真です。

普通の子供の写真です。

しかし左下のキャプションにはこう書かれています。

AGE AT DISAPPEARANCE: 3(行方不明時の年齢:3歳)

この写真集は、行方不明になった人々の家族がその人を見つけるために、英国行方不明者ヘルプラインという団体に寄付したポートレート写真を集めたものです。

撮られたときには何気ないポートレート写真がとても重大な役目を負うことになったのです。また、行方不明者の写真であるということを知る前と後でも見え方が違ってきます。

Useful Photography #009

こちらは、カメラのマニュアルなどに使われたサンプル写真を集めて編集しています。

写真の撮り方の本には「よい例」や「失敗例」としてたくさん写真が載っていますよね。

左の写真、フラッシュの光が窓ガラスに反射しちゃいました。

笑顔はすてきですけど失敗ですか?

左半分がオレンジ色になってしまいました。

瞳はすてきですけど失敗ですか?

後ろに通行人が写ってしまいました。この人が通り過ぎるまで待つのが「正解」?

おじさんのポートレートとしては失敗ですけど、シュルレアリスムの作品だとしたら成功?

いい写真ってなんだろう?と問いかけてくる写真集です。

 

後編に続きます。

*photographer’s gallery発行の『photographer’s gallery press no.9』の中で、ケッセルスクライマーの詳しい紹介記事とエリック・ケッセルスへのインタビューを読むことができます。

Written by iseki ken

2012/11/26 at 17:41

Posted in Found Photo