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仏像とエグルストン:聖観音と三輪車

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聖観音

おはようございます。瀬木です。

「配置によって、何でもないモノに意味を持たせる」のがニューカラー写真の特徴だと気付いたとき、「これは『枯山水』と同じだ」と思いました。

「枯山水」は禅寺で多く用いられる庭園様式です。京都の銀閣寺や龍安寺の庭と言えば解るでしょうか。

その枯山水に「三尊石」と呼ばれる石組みがあります。一つの大きな石と二つの小さな石が、二等辺三角形を作るように配置されます。中央の大きな石が如来を、それに従う二つの小さな石が菩薩を表わします。(「如来? 菩薩?」と言う方は、如来はお釈迦様で、菩薩は観音様と思っておいて下さい。)

 

そうした知識を得た上で見ると、今回の作品は「『三尊石』と同じ構成である」ということが解るでしょう。前輪とハンドルが大きな石で、それに従う後輪が小さな石です。

そこで始めは、三つの石で三輪車を置き換えることを考えました。しかし、なかなか良い石が見つかりません。

河原への石探索を決意したころ、「そもそも『三尊石』は如来と菩薩を表わすものであるから、石ではなく仏でも良いのだ」ということに気付きます。そして、ついに仏像がコラージュされました。

現れていただいたのは薬師寺東院堂の聖観音。和辻哲郎が「古寺巡礼」の中で絶賛した仏像です。

 

次回は、堂々の最終回。

 

三輪車「William Eggleston’s Guide」より
Memphis

Written by segi

2011/06/10 at 6:58

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