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オランダ人写真家 エリック・ヴァン・デル・ヴァイデさんのレクチャー (前編)

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こんにちは。between the booksエディターの井関ケンです。

先週の水曜日(2月23日) に代官山のAIT(エイト)*1にて、現在アーティスト・イン・レジデンス・プログラムで東京に滞在しているオランダ人写真家、Erik van der Weijde (エリック・ヴァン・デル・ヴァイデ) さんが行ったレクチャー「アートの実践としてのフォトZINE作り」を聞いてきました。

レクチャーのレポートにすすむ前に、まずは、エリックさんの紹介をしたいと思います。

エリックさんは1977年オランダ生まれ。現在はブラジルとオランダを拠点に、主に写真集の製作を中心に活動しています。ZINE形式を中心に、すでに20冊以上の写真集を、エリックさん自身が立ち上げた4478zineというインディペンデント出版社から発表しています。また、本という形態にこだわるエリックさんですが、ドイツのCHERTというギャラリーに所属するアーティストでもあります。

 

↑4478zineのサイト。すべてエリックさんが制作したZINE。各作品のなかも見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レクチャーの様子。向かって左側がエリックさん(写真はAIT提供)。

レクチャーは、まずエリックさん自身の作品の紹介から始まりました。シリーズすべては紹介できないので、3作品を取りあげたいと思います。各作品の詳細はエリックさんのサイト4478zineで見ることができます。

1 Siedlung (Settlement)
ハードカバー・256ページ ROMA Publications 2008

 

同じような建物が延々と続くこの写真集。どういった背景があるのでしょうか?エリックさんの説明を聞いてみましょう。

「1933年から1939年の間にワーキングクラスのNSDAP*2(ナチス党)メンバー全員に住居を提供することを目的に、Siedlungenと呼ばれる住居用建築物が多く建てられました。これらの建築群は、そのナチス党が、人々を失業から救い、結束を高め、コントロールするための強力なプロパガンダツールとなっていたのですね。私はこれらの建物を撮影し、写真集にまとめ、作品はオランダのROMA Publicationsより出版しました。このシリーズは歴史的事実の調査とタイポロジー的なアプローチがベースになっています。カメラは意外かもしれませんがデジタルのスナップショットカメラを使用しています。」

これらの建物は無作為に撮影されたものではなく、こういった歴史的事実に関連して選択されたのですね。エリックさんは、事前に背景や建物の住所の調査を綿密に行ったそうです。

残りの2作品の紹介、およびZINE製作へのアプローチに関しては後半で。お見逃しなく!

 

*1 特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]。現代アートと視覚文化を考えるための場作りを目的として、2002年5月に設立したNPO団体。AITでは、111のレクチャーから興味のあるものを自由に選んで受講できる現代アートの学校(Making Art Different =アートを変えよう、違った角度で見てみよう)を開講している。

*2NSDAP Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei の略。ドイツの政党で一般的にナチス党、ナチ党と呼ばれる。1933年に政権を獲得後、独裁体制を確立。1945年のドイツ敗戦により解党。

 

Written by iseki ken

2011/03/04 at 10:00

Posted in site trekking,zine