Wolfgang Tillmans @ Serpentine Gallery(後編) ロンドンレポートby中原紗代子
続く各部屋は、印画紙を用いた抽象イメージや天体写真、既存の切り抜き写真などを卓上に並べたインスタレーションまで、2000年以降の作品を中心に構成。モノクロコピーで拡大された大型作品の前には、ジャンクフード/ポリティクス/天体&宇宙という、テーマに沿った写真を配した3つのテーブルが。次のスペースでは、さまざまな色に焼き付けた印画紙を並べた作品(この色味と配置を決定するだけに数カ月も試行錯誤したとか)が、鮮烈なイメージを放ちます。
こちらでも多彩な作品をシャッフルし、シリーズを見せるかのようで関係ない写真も入っている、といったハズシがちらほら。全体を通して、何かを言い切らず常に新たな可能性を暗示するような、風通しの良さが感じられます。

Wolfgang Tillmans Installation view Serpentine Gallery, London
(26 June – 19 September 2010) Photograph: Gautier de Blonde
どんな形であれ、ティルマンスの「今」(あるいはちょっとだけ先の今)という時代の空気感を察知する感覚は、逸脱していると思います。だからこそ、「2001年になっても、まだ90年代は終わっていなかった」みたいなコメントをさらっと、でも確信を持って言うのがサマになるのかな。そんな永遠の少年の提示する、壊れそうで切れそうに甘い世界観を堪能できるのは、夏じゃないような夏のうち。
Roy 2009 C-type print
40.6 x 30.5 cm Courtesy the artist and Maureen Paley, London
Wolfgang Tillmans / – 19 September 2010
Serpentine Gallery / Kensington Gardens, London W2 3XA
http://www.serpentinegallery.org/












